離婚時の財産分与の割合・決め方について
財産分与の割合については、
法律上、特に決まっているわけではありません。
まずは、当事者間の協議で取決め、
協議が調わない場合は家庭裁判所に申立てをして、
協議に代わる処分を請求することができます(民法768条2項)。
その際には、
「当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、
分与させるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める(民法768条3項)」
と規定しているだけです。
実際に、家庭裁判所が財産分与の判断をする際には、
夫婦財産形成や維持に関する夫婦双方の寄与度(貢献度)
を算定して決めています。
よって、協議離婚において財産分与の額やその方法を取り決める際は、
まず分与の対象となる財産を特定し、
金銭以外の財産についてはその価額を決めたうえで、
分与の具体的な割合や分与の方法を
夫婦の話合いにより決めることになります。
★専業主婦に対する分与の割合
財産分与の話合いの中で翌問題となるのは、
専業主婦で婚姻期間中は家事労働に従事して
お仕事をしていなかった場合です。
専業主婦であっても、家事労働に従事して家庭を支え、
そのおかげで夫は安心して外で働くことができるのであって、
妻も夫婦財産の形成に寄与しているわけですから、
財産分与を受けられるのは当然のことです。
しかし、夫からすると、離婚となれば、
「自分が働いてきた給料で形成された財産なのだから、自分が多く貰って当然!」
という考えを持つ方も多くいらっしゃいます。
確かに以前は、財産分与の審判や裁判で、
専業主婦の財産の形成に対する貢献度を
3割~4割と算定するケースが多かったようです。
しかし、最近では専業主婦の場合であっても、
特段の事情がない限りは、
夫婦財産形成に対する貢献度は等しいとする
2分の1ルールが提唱されているようです。
よって、協議離婚の場合でも、財産分与の割合としては、
2分の1が基本と考えてを請求すべきでしょう。
上記のように、専業主婦も含めて、財産分与の基本は2分の1となります。
しかし、自営業をされているケースで、
家事の他に家業も手伝って財産形成に大きく貢献している場合は、
2分の1以上の割合で財産分与の請求も可能です。
ただ、協議離婚の場合は、
夫婦双方の話合いで決まるものですので、
2分の1の財産分与を基準として、
財産形成・維持に関してご夫婦の貢献度を考慮して
妥協点を見つけ折り合いをつけることが必要となります。
その為に、
①夫婦共有財産リスト
②財産に関する資料(固定資産評価証明書、給与明細、株券など)
③財産形成に関する経緯等の資料の作成及び収集
はしっかりとしておきましょう。
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