離婚後の親子の面会交流(面接交渉権)とは
親子の面会交流(面接交渉権)とは、
「離婚後、未成年の子と一緒に暮らせなくなった親が、
その子と離婚後も面会して交流することができる権利」のことをいいます。
離婚後、離れてしまっても親であることには変わりはありません。
未成年の子供、特に、10代のお子様であれば、
両親と一緒に暮らせないことはとても悲しいことです。
但し、面接交渉権は無制限に認められるわけではなく、
未成年の子供の福祉、利益を害さない範囲で認められることになります。
面接交渉権は、民法766条に規定されている離婚後の子に関する
「監護に必要な事項」が根拠であるとされています。
最高裁は、「別居状態にある夫婦間であっても、
民法766条を類推適用し、家事審判法9条1項乙類4号により、
家庭裁判所は面接交渉に必要な処分を命ずることができる。」としています。
よって、離婚後に限らず別居中であっても、
子供との面会交流を求めて家庭裁判所に申し立てることができます。
★離婚協議における面接交渉権の取決め内容は?
子供が、離れて暮らしている親と会うことは、
子供の健やかな発育にとって大切なことでもあります。
例え、相手に何らかの問題があって離婚に至ってしまったとしても、
子供のためと考えて、夫婦間で離婚後の子どもとの関係をじっくり考えて話合い、
書面に残しておくことが必要でしょう。
離婚協議における面接交渉権の取決め事項 |
離婚に至った事情や親権の争い等により夫婦間に対立姿勢がある場合は、
上記のように詳細な取り決めをしておく方が良いでしょう。
しかし、面接交渉が子供のために必要なことと両親双方が思っているのであれば、
最低限必要な事項のみを取り決めて、
「子供の福祉と意思を第一に考えて誠実に協議する」というような一文を記載して、
柔軟に対応できるようにしておくことが望ましいといえます。
面接交渉権について考えるときは、子供のことをまず第一に考えることが必要でしょう。
そして、取り決めた内容を口約束だけで終わらせることは、絶対にしてはいけません。
必ず、書面に残しておきましょう。
★協議で取り決められない場合は?
離婚協議の際に、面接交渉権についての取り決めができない場合は、
家庭裁判所の調停又は審判により取り決めることができます。
面接交渉以外の部分では合意しているのであれば、
その部分については、公正証書を作成して離婚を成立させて、
離婚後の紛争として家庭裁判所に面接交渉の調停又は審判を申し立てるとよいでしょう。
調停は、家庭裁判所において面接交渉についての話合いを行います。
審判の場合には、家庭裁判所が一切の事情を斟酌して、
子供の福祉と利益に反さず、
面接交渉によって心身の成長上好ましい結果がもたらされると判断した場合に、
面接交渉が認められることになります。
具体的な判断基準としては、次の点があげられます。
1.子供の年齢や意思
子供が乳幼児の場合には、非監護親(一緒に住んでいない親)との面接交渉には、
監護権者の協力が必要不可欠となることから、監護親の協力が得られない場合には、
面接交渉を認めない場合があります。
そして、子供の年齢が上がるほど、子供の意思が尊重されるようになります。
ただ、子供は監護親の影響を大きく受けるものですので、それだけではなく、
真意を慎重に見極めて判断をしています。
2.非監護親の態度、行動
非監護親が子供に暴力をふるう恐れがあったり、監護親の同意も得ないで、
面接交渉を行っている等の実態がある場合には面接交渉は認められません。
子供の福祉にとって害があるからです。
(例)アルコール依存症、DV、借金癖
3.監護親の意思
別居、離婚を通じて父母の対立が激しい場合には、
面接交渉が認められないことがあります。
特に暴力が原因で離婚した場合には、
監護親の恐怖心が非常に強く残っていることから、
面接交渉を家庭裁判所は認めない傾向にあります。
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