不倫慰謝料請求サポート ~慰謝料を請求する前に~
| ★不倫とは? |
不倫という言葉が一般的には使用されていますが、
法律上は「不貞行為」と呼ばれています。
民法770条では、裁判の際の離婚事由をあげており、
その一番最初に「配偶者に不貞な行為があったとき。」と規定されています。
つまり、夫婦には、相互に貞操を守る義務(貞操義務)があり、
これに違反すると、相手方から慰謝料を請求されることになります。
貞操義務違反を具体的にいうと、
「配偶者のある者が、配偶者以外の異性と自由意思で肉体関係を持つこと」となります。
どうして、慰謝料というものが発生するのかについては、
先の「協議離婚と慰謝料について」で記載したとおりです。
自由意思でということですので、
脅迫や強姦などにより自由な意思を奪われたた状態で行われた行為は含まれません。
また、肉体関係があった場合ですから、
メールや電話のやり取りのみであったり、
二人で食事やデートに行っただけでは不貞行為とはみなされません。
| ★不倫の要件 |
夫の最近の行動が怪しいと感じて携帯を調べてみると、
知らない女性とのメールのやり取りが・・・
夫を問いただしてみると、自分には残業と言っておきながら、
その女性と夜中に何度も会っていたとか。
すぐに、夫からその女性の連絡先を聞き出して、
内容証明で慰謝料請求と交際の中止を求める。
でも、ちょっと待って下さい。
怪しいのは間違いありませんが、慰謝料を請求するには、
そのための要件を満たしていなくてはなりません。
では、不倫の慰謝料請求が認められる要件とはどのようなものになるのでしょうか。
1.肉体関係があったのかどうか
配偶者と相手の間に肉体関係がなければなりません。
ただ、食事やデートをしただけでは慰謝料請求はできません。
また、肉体関係があったとしても、
配偶者が脅迫や強姦により相手の自由な意思を奪ったうえで、
関係を持った場合には請求することはできません。
この場合には、相手に非があるとは言えず、
自分の意思に反して肉体関係を持ったと言えるからです。
ただ、この場合でも、配偶者に対しての慰謝料請求は可能です。
2.不倫相手に配偶者が既婚者であることの認識があったのどうか
配偶者が不倫相手に対して、
結婚指輪を外して未婚者を装って交際していた場合、
相手が配偶者が未婚であることを信じるのに十分な理由があった場合には、
それを信じた不倫相手に慰謝料を請求することはできません。
この場合も、不倫相手には落ち度はないからです。
不倫は不法行為の一種ですから、民法第709条に規定されてるように、
不法行為が成立するには、
その行為を行うのに故意や過失がなくてはなりません。
故意というからには、
相手が既婚者であることを分かった上で、交際することが必要となります。
「過失」というのは、少し注意すれば、相手が未婚者だと偽っていても、
既婚者であると分かったのではないかという場合です。
例えば、本人は「独身だよ」と言っていたが、
本人の周りの方々が「彼は既婚者だよ。」と教えてくれていたようなケースです。
このようなケースであれば、
騙されていたと気付いて別れることになることが普通だとは思いますが、
交際が進展している場合には、相手のことを完全に信用してしまい、
他の方の助言が耳に入らなくなってしまっていることもよくあります。
このような事実がある場合には、
配偶者の不倫相手が「未婚者だと信じていたんです。」と主張しても、
慰謝料の請求をすることができます。
3.婚姻関係が破綻していないかどうか
夫婦関係が既に破綻している場合には、
配偶者と不倫相手の間に不貞行為があったとしても慰謝料請求は認められません。
なぜなら、不貞行為があった当時、既に夫婦関係は破綻していたのですから、
夫婦関係破綻の原因がこの不貞行為にあるわけではなく、
その責任を配偶者の不倫相手に問うのは筋が違うというわけです。
| 参考判例(最判平8.3.26) 夫婦の一方の配偶者と第3者が肉体関係を持った場合において、夫婦の婚姻関係がその当時既に破綻していたときは、特段の事情がない限り、第3者は、他方の配偶者に対して不法行為責任を負わない。 |
「破綻」の定義については難しいところもありますが、
おおむね長期に渡って別居をしていて、
その間連絡を取らず会話もしていない状態が該当します。
ただ、具体的な別居期間が決まっているというわけでもなく、
その辺りは裁判官の判断によります。
必ずしも別居イコール破綻というわけではないということです。
4.時効にかかっていないかどうか
不法行為による損害賠償請求権は、不倫の事実及び不倫相手を知った時から3年又はその事実を知らなくとも不法行為があった時から20年が経過すると請求ができなくなります(民法724条)。
| ★不倫の事実を証明するもの |
慰謝料請求の内容証明を送付し、
相手が不倫の事実を認めるのであれば証拠はなくてもかまいません。
しかし、相手が事実を認めなかったり、
訴訟となれば、証拠が必要とされます。
不倫の事実を知って、その事実を知った基になるものを
怒りのあまり処分されてしまう方もいらっしゃいますが、
あとで、その証拠となるものがどのように活きてくるか分かりません。
ですから、もう2度と見たくはないのは無理もありませんが、
手元に保管しておくことをお勧めします。
では、どのようなものが証拠となり得るのかですが、次のようなものがあります。
①不倫相手とやり取りしているメール・手紙(肉体関係があると推測できるもの)
②ラブホテルを出入りしている写真、ラブホテルの会員カードや領収書
③配偶者が作成した誓約書(不倫の具体的事実、不倫相手の住所・氏名を記載しておく)
④クレジットカードの利用明細や領収書(ホテルや飲食店等の利用記録)
⑤配偶者の帰宅時間や夜の外出などを記録した手帳やメモ
⑥二人で写っている写真
上記の証拠にはご自身でも取得できるもの、
ご自身では取得しにくいものとありますが、
これまでの経験から言いますと、調査事務所等は使わない方が良いでしょう。
慰謝料は、必ず、相手から取れるものではありません。
にもかかわらず、高い調査料を支払ったあげく、
相手が無職で支払い能力に乏しく、支払いを受けられないというケースもあるからです。
これは、当事務所へご相談に来られた方で本当にあったケースです。
全ての調査事務所がそうだとは言いませんが、
費用の割にはリスクがあることを頭に入れておかなければなりません。
また、上記の証拠は、ひとつだけでは証拠としては弱くても、
複数組み合わせることにより、証拠としての能力が増してきますので、
「これは?」と思うようなものであっても、手元に残しておいて下さい。
| ★慰謝料の相場は? |
慰謝料に相場というものは特にありません。
財産的な損害であれば金銭に評価することも可能です。
しかし、慰謝料は精神的な損害です。
心の損害をを評価することは非常に難しいからです。
人それぞれに感じ方は違いますし、
どのように心に傷を受けたかについては、他の方からはわからず、
ご本人にしか判断ができません。
話合いによる解決であれば、
双方がその金額に納得すればよく、金額はいくらでもかまいません。
極端な話、1億円というような金額でもかまわないのです。
しかし、お金持ちのセレブならいざ知らず、1億なんて大金を払える人はいませんから、
一定の基準があってもよいかとは思います。
裁判所の判例で多いのは、50万円~300万円という金額となりますが、
皆さんが思っている程の高額にはなりません。
実際に裁判所が慰謝料額を算定する際には、
違法性や損害の程度、不倫相手の年齢、不倫関係をどちらが主導したのか、
夫婦関係の破綻の有無、夫婦に未成熟の子がいるかどうか等の事情を斟酌して、
裁判官が慰謝料の金額を決定しています。
| 慰謝料額を決める要素 ①不倫交際のきっかけ(どちらが積極的に誘ったのかなど) ②不貞行為の頻度や不倫関係にあった期間 ③配偶者がどの程度精神的苦痛を受けたのか (心療内科等に掛った場合には、診断書を取っておく) ④不倫がどの程度夫婦関係破綻の原因になっているのか ⑤離婚に至ったのか、至ってないのか ⑥支払う側にどの程度の支払い能力があるのか |
ただ、
「婚姻関係の平穏は、一時的には配偶者相互間の守操義務、協力義務によって維持される
べきものであり、特段の事情がない限り、不貞の相手方の責任は副次的である。」
との判例もあり、不倫相手への慰謝料金額は低額化の傾向にあります。
よって、このような事情から、裁判時の弁護士費用等を含めると、
それほど手元に残らないことも考えられますので、
なるべく示談で済ませる方が良いでしょう。
請求の方法については、
ご自身で相手方に連絡を取り交渉する方法
弁護士に代理交渉をしてもらう方法
内容証明等の書面でやり取りする方法
とあります。
上記の方法については、それぞれにメリット・デメリットがありますので、
よく考えて、ご自身に合った方法により行うことが必要です。
当事務所では、慰謝料請求書や回答書等の書面作成を行っておりますので、
まずは、お気軽にご相談下さい。
行政書士中村法務事務所
大阪府阪南市舞1丁目26番13号
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